(株)ムロオ南近畿支店チルド物流センター
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- 広島に本拠を置きチルド物流のネットワーク拠点を全国に張り巡らし続ける株式会社ムロオ様。和歌山市小倉ですでに展開していた南近畿支店の新たなチルド物流センター作りに対し、さまざまな人がつなげて下さったおかげで、私たちの事務所が関わることになりました。設計の形は新築ではなく、既存旧食肉加工センターからチルド物流センターへの用途変更(コンバージョン)及びそれに伴う改修設計。時代の要請ともいえるコンバージョンというスタイルがあちらこちらで浸透しつつあります。有用な資産である建築をわざわざ撤去する必要はなく、新たな用途が必要とする機能や性能及び遵法性を適切に付加することで建築は再生します。今回は築20 年になる施設の再利用でしたが、旧施設が保持していた設備類、例えば屋内消火栓等はルートや設置位置は更新しましたが基本は再利用です。また床面積的な意味での増築は行わず、旧施設の空間を新たな用途であるチルド室へ転用です。旧施設自体にも冷蔵や冷凍室がありました。相応の性能をもつ断熱壁や断熱天井でしたが、今回はそれらの壁・天井をほぼ一新、現在の断熱技術や製品・機器にて再構築しています。ちなみにチルド室は摂氏プラス5 度を維持し、冷凍庫は摂氏マイナス25 度を維持。これらの性能とシステム化された在庫管理技術及び配送トラックの迅速な集出荷作業にて各所に新鮮な食材等を届けます。社会が要望する消費システムのニーズに的確に応え続けようとする企業の努力の一端を担えたことに改めて感謝いたします。
基本データ
- 建 設 地:和歌山県和歌山市小倉
- 構造・規模:S造・平屋建
- 設計内容等:旧食肉加工センターからチルド物流センターへの用途変更及びそれにともなう改修設計
- 延べ床面積:1,663.56㎡