手平の数寄屋 祥慶亭
CONCEPT
祥慶という言葉には、よろこびごと、めでたいこと、吉兆またはその様子という意味があります。
一番よろこばしいことは楽しみながら住まうこと。豊かな暮らしをこの先長く送っていただきたいという想いを込めて、Jの家のカテゴリーAgain によるプロジェクト「祥慶亭」は作られました。
数寄屋のもつ繊細さや優美さを存分に体感できる佇まいやデザインを随所にちりばめています。
水平線が強調された美しい屋根のラインや深い軒、そして重心の低さは和の佇まいの真骨頂。そこには多くを語らずとも伝わるものがたくさんあります。また数寄屋門からのアプローチも与えられた諸条件の範囲で最大限に計画。奥行のある玄関をくぐると22 帖大のLDKへ。和の家にあっての現代的なリビング空間は、無垢の木による脇役たちがさらに愛着感を添えています。こだわりの和室は引込障子を開け放つと縁側と一体利用が可能、さまざまな表情を持つ和室に仕上がりました。寝室は白を基調にデザインしながら、ユニークな質感のある壁紙を一部に採用。落ち着き感の中に躍動感を織り込み、対比の美を表現しています。今回もあらゆるところに「豊かさ」という価値観をデザインしましたが、それは私たちが空間を捉えるときの最も重要なキーワードの一つであります。良き理解者となってくださったお施主様にめぐり合えたことを改めて感謝いたします。
コメント
- リビングに据えたケヤキのカウンターは材木問屋で保管されていた原形をあえて利用しデザイン、無駄を出さないというコンセプトを貫き製作しました。庭作りは今後の楽しみとなりましたが、存在感のある脇役を点在させ、その時期を待っているところです。
基本データ
- 建 設 地:和歌山県和歌山市手平
- 構造・規模:木造(在来工法)・平屋建
- 1階床面積:128.15㎡
- 延べ床面積:128.15㎡